チャンスもピンチに変えるブラックボックス

あの場所にスタジアムを建設すべきではないという環境専門家会議の提言についての報道を受けて、このサイトへのコメント以外にも様々なご意見を頂いています。

建設的な意見交換のために、今までのことを振返っておきたいと思います。

京都府はスタジアム用地を無償提供することを条件に誘致を募りました。
亀岡市は、自然と共生するスタジアム、として天然記念物アユモドキの繁殖地でもあるエリアを提案しました。
用地選定委員会の記録を見ると、この時点では京都府は、スタジアムとアユモドキの共生ができるという専門家等の意見の裏付けがあっての提案だと思っていたようです。
実際にはそうではなかったことが亀岡市に決定した直後に明らかになり、アユモドキ等への影響については環境保全専門家会議で議論されてきました。
亀岡市も誘致決定後にアユモドキの調査のために多額の費用が必要になりました。

スタジアムを受入れるために必要な費用は50億円で、その内訳は
用地買収 14億円
公園整備 15億円
道路等  18億円
水道等   3億円
であるとされていました。

市が公園整備をすることにしたのは、もともとそこに公園が必要だったからではなく、
公園には国からの交付金が活用できるからです。
公園は基本的にオープンスペースとしての機能が求められていますので、普通は公園の面積に対して大きな建物を建てるということはできないように建ぺい率が規制されていますが、それも特例の特例をつくってスタジアムを建てられるように規制緩和しました。
本来の公園としての公園よりも肝心なのはよりよいスタジアムを建設するという考え方です。しかし、あくまでも公園だということにしておけば、用地買収費用の1/3, 公園整備費用の1/2が交付金の対象となります。(とアテにされていましたが、実際それが交付金の適切な使い方として認められるのかは確認されていませんでした)
50億円というのは、交付金として入ってくる分をアテにした数字です。
ですから、単純に公園を作らなければ15億円が浮く、ということにはなりません。
また、スタジアムが建設できなかった場合はどうするのかという問いに対し、過去の答弁でも、駅北用地に公園を整備することには変わりがないとのことでした。
一体、それはどんな公園でしょう。しかし、スタジアムが建設できなかった時のことは考えない、とも答弁しています。
ですので、現時点では、あの駅北用地は公園にすることは決定していて、中身は不明ということです。

さて、そこで、亀岡市民の皆様が、この財政状況でも更に隣の駅北事業用地にスタジアムを建設する道を模索すべきだと考えるかどうかです。
スタジアムができてまちが賑わうのはいいことだ、と思う方も多くいらっしゃるかもしれませんが、現状でもやりくりに苦労しながら予算編成しており、今年度は数多くある補助金について2割カットをしました。
他にも更に大胆な歳出削減を行わなければ、スタジアムのための費用を捻出できません。

スタジアムや駅北公園の他にも、巨額の費用が予想される事業が潜在しています。新資料館、新火葬場をどうするか。老朽化して使えなくなった公民館等の機能はどこで代替させるか等々。具体的に想像しやすいのでハード事業を例にあげましたが、他にも対応すべき課題は山積しています。
そのような事情を踏まえてもなお、やってよし!スタジアムでまちを盛り上げていくための痛みは受入れよう、という考えの方がどれだけいらっしゃるでしょうか。

歳出を減らせないなら、歳入を増やせばいい。という考え方もあります。ただし、家計を振返ってみるとわかるように、必要なだけ稼ぎを増やすというのはままならないものです。
市はふるさと寄付金を募ったり、使用料、手数料の見直しを行うことで歳入増を図ろうと考えていますが、私はそれらが歳入に占める割合を考えると、大きなインパクトは期待できないと思っています。もちろん、歳入の確保に努めることは大切です。

繰り返し、チラシ等でお知らせしていますとおり、亀岡市の財政状況は非常に苦しいです。一方、市に求められている役割は大きくなっています。限りある資源をどう配分するかを考えなくてはなりません。最も大切なことは、その税金の使い方で効果的に市民福祉の向上を図ることができるかどうか、ということです。そのような観点から考えた結果、私は、スタジアムのために投資するべきではないと判断しました。税金ではなく、真に熱望する方々の寄付を募って建設するスタジアムまでも否定するものではありません。

どこに限りある資源を投入するのかという予算の提案は市長に権限がありますので、議会は市長から提案された内容を認めるか否かの判断を多数決によって決します。議会は市民の代表で構成されています。選挙という仕組みがうまく機能していれば、市民の考えを反映した結論が出せるでしょう。ご自身が選んだ議員に声を届けてみて下さい。

ちなみに、私は、いい加減な提案で土地を買ってしまってダメになったら次の場所を考えよう、という前に、なぜこのような事態になったのか、同じ失敗をしないためにもしっかりと検証するべきだと思っています。反対ばかりしているからこんなことになってしまったのだ、とお怒りの方もいらっしゃいますが、そうではありませんね。そもそも、最初からスタジアムは非常に難しい課題を多く抱えていました。にも関わらず、それをチャンスだと主張する根拠は十分に説明されていませんでしたし、何を議論してどのような意思決定を行ってきたのかを問うても明らかにされませんでした。
まず、検証が必要です。でなければ、チャンスもピンチに変えるブラックボックスかもしれないものに、そのまま金を扱わせるわけにはいきません。

2 comments

  1. アユモドキ より:

    環境保全専門家会議の提言として、スタジアムの必要性や代替地にまで言及するなど、事業アセスの第三者会議の役割ではありません。さらに座長提言であることがまた胡散臭い。この唐突な提言から検証しなければいけません。
    そして、代替地とした駅北区画整理区域はアユモドキへの影響は少ないかもしれませんが、今度は住宅地に隣接することになるという新たな課題が生じます。これは、スタジアム標準では、最も慎重に検討すべき事項とされている問題であり、住宅地からは離すことを推奨しています。
    ここでもまた焦るがために初歩的ではありますが、今度は地域住民の生活環境に関わる重大なミスを犯してしまいました。
    あえて検証するまでもなく、これらの経過を振り返るだけでもうこの計画は破綻していることは明らかです。

  2. K より:

    酒井市議?少し間違ってませんか?第一候補地の駅北計画はダメなら他の候補地を探す?しかし第一候補地の駅北のようにまた揉めなければ行け無いその一つが第二候補地に建設して完成しても周辺道路の交通渋滞そしてゴミのポイ捨てや周辺住宅道路での違法駐車なんかも上げられます鉄道の駅とアクセスしている駅北計画の方が正しいと思います!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です