キーワードに反応すること

12月定例会が閉会しました。賛否が分かれるものもありましたが、全議案可決です。

私は、13号議案 亀岡市都市公園条例の一部を改正する条例の制定について反対しました。これは、スタジアムの基本設計の面積に合わせて、建ぺい率の基準を緩和しようとするものでした。スタジアムが気に入らないから反対したのではなく、このような特例を設ける理由付けがあまりにも無理があったからです。

当たり前のことですが、建ぺい率の基準は建てたい建物に合わせて設定するべきものではありません。これでよしとするなら、何でもアリです。スタジアムへの賛否に関わらず、この改正は認めるべきではありませんでした。(詳しくはまた別途書きます。)

他に賛否が分かれたのは、スタジアム関連2件、マイナンバー関連、京都税機構関連です。

私は、スタジアムはあの場所に建てるべきではないと思っています。マイナンバー制度にも不安があります。京都税機構も問題だと思っています。

が、スタジアム要らないから反対、マイナンバーはダメだから反対、税機構もけしからんので反対、というように、単純にキーワードに反応して賛否が決まるなら議案を審査する意味がありません。

スタジアム関連2件というのは、中を見ると、(スタジアムが建設される)京都・亀岡保津川公園の区域決定と、下水道条例を改正して計画面積の中に公園の範囲も含めるというものでした。スタジアムのためにインフラ整備を前倒しするというようなものではありません。これらの2議案は亀岡市の公園のために判断すべき内容であり、スタジアムは関係がありません。新たに都市公園を整備することだけを考えてもその妥当性については、疑問があります。しかし、財産取得議案が可決されて契約もされている現状で、あの場所を公園とする以上に市民にとって有利な選択が思い当たりません。買収した場所を公園にすることまで否定して、そのままにおくことは却って問題があるのでしょうか。

マイナンバー関連の条例制定議案は、独自事務の利用等について必要な事項を定めるものです。役所は法令に従って仕事をしなければなりませんから、マイナンバー法で国から受託した事務を拒絶するということはできません。そのため、マイナンバーを扱う体制が役所内にあり、法定受託事務を取り扱っています。そこへ、更に「独自事務の利用等」も認める条例制定をしようとするのは元々庁内で情報を照会して連携していた事務を行うにも必要なことだからですが、それによってどのような問題があるのか。委員会審査を傍聴しました。

心配されていたのは、セキュリティや、プライバシー侵害、なりすましによる被害の発生、そして、どこまでマイナンバーで情報が紐づけられどのように利用されるのか、等でした。マイナンバーと聞くと、個人情報が芋づる式に全部見られてしまうのでは、という不安から拒絶したくなる方もいらっしゃるようですが、そうではありませんし、今回の条例改正で心配すべきことでもありません。基本的に、それらは国のマイナンバー制度に対する不安です。

マイナンバー制度そのものへの懸念や、またマイナンバー制度で必要なコストに対して十分に財政面での手当がされるように求めることなどは議会としても一致できるところがあると思われますので、別途、国に対して行うことを検討すべきだと考え、条例制定議案には賛成しました。

そして、京都地方税機構の規約変更は、軽自動車税の申告書のデータ作成等を共同化するためのものです。課税事務を京都府下の市町村(京都市除く)で共同化して行う税機構は、課税自主権を侵害している、納税者主権を侵害している、などの理由で反対する意見がありました。が、既に事務を共同化しているところに軽自動車税についても追加することへの反対理由としては不適切だと考えました。

私も課税自主権が侵害されていいとは思いません。京都税機構によって課税自主権が侵害されているのかどうか、課税事務の共同化にどんな問題があるかということは、一体的な議論の場を持って考えていくべきであると思います。

今回、追加される軽自動車税は税制改正によって28年度から重課が導入されます。国から提供されるデータを処理するためにはシステム改修が必要であり、税機構のような広域連合を構成していない自治体ではそれぞれが既にそのための補正予算を組んで準備をしています。何の準備もない亀岡市がこの件のみについての共同化を拒否しても現実問題として困ったことになるだけではないでしょうか。

税機構そのものに問題があって、それについて解決していこうとするならば、定例会で税機構に関連する議案が出されたときに、税機構というキーワードに反応するだけでは、意味がないのです。

○○関連は何でも賛成、何でも反対、というキーワードへの反応だけで中身を見ずに結論してしまっては、意図せぬ結果を招くことにもなるかもしれません。

それぞれのキーワードへの思いはあるでしょうが、執行部から提出された議案を審査するだけでなく、普段から考えの違う同僚とも問題意識を共有し、中身を見て、論点を解きほぐしていくことで議論が充実し、市民福祉の向上につながるような議会活動ができるようになるのだと思います。

5 comments

  1. アユモドキ より:

    それは多くの場合、なし崩しと言います。これまでいやと言うほど見てきた、あるいは経験してきたことです。市民が積極的に責任を負おうとする必要はありません。

    • 酒井 あきこ より:

      たくさん書きましたが、「なし崩し」の4文字にまとめていただきました。
      その通りです。
      市民は責任を負おうとしなくても、市民生活に影響が及びます・・・そうなっても多くの方は、それが議会が出した結論の結果だと気付かないかもしれません。それどころか、議員も自覚しないかもしれません。責任を問われても、行政を信頼して認めたのにそれに応えなかった行政が悪いのだと言いそうな予感がします。

  2. k より:

    既に昨年11月の選挙で反対派と推進派が競り合って結局推進派が勝利してスタジアム計画は前進する事になりましたが、酒井議員が前市長の在任中から訴え続けてる建坪率の戦いは終わって無いんですね?

  3. 酒井 あきこ より:

    市長選はスタジアムの是非についての意思表示にはなり得ないと考えていますが、推進派の市長が当選されてこれまでの流れを踏襲した形で進んでいます。
    しかし、いずれにしてもクリアしなければならない問題は変わりません。
    それは、建ぺい率の特例をこのような形で設けてしまうことだけに限らず、です。スタジアム用地に関わって行われたムダな測量の問題も未だに係争中です。
    このような大きなプロジェクトについて、いい加減な進め方をすれば、推進を望んだ市民にとっても不本意な事業になってしまうのではないかと思います。
    私はスタジアムは亀岡市にとってピンチだと未だに思っています。
    首長と多数の議員がそれを進めようとしている以上、私にできることは、いかに損害を少なくするかを考えることです。

  4. k より:

    既に昨年前市長と京都サンガ代表取締役社長が西京極~亀岡スタジアムに本拠地移転の協定を交わしたと京都新聞に取り上げられてましたが昨年の市長選挙を振り返ると高向氏は対谷口前市長と3度挑戦した候補で一方桂川氏は市議時代から次の市長候補と噂されていました桂川新市長なら市議1期府議2期の実績もあります建ペイ率の件も公明党や保守系市議団の力も借りながら解決してくださるでしょう。

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