強い要望だけでは解決できない問題

WWFジャパンが京都府知事に対して、スタジアム計画を撤回すべきという意見書を提出したとのことです。

先週11月19日に、国際自然保護連合が、最新の科学的情報に基づき、アユモドキを「レッドリスト」に記載したことを受け、厳しい内容になっています。

それでも、府市は無理な計画を撤回する考えはなさそうです。

推進を求める方々は、せっかく亀岡に誘致を決定していただいたスタジアムに外部から水を差されることに、よい気分はしないのはわかります。

しかし、魚類学会や国際自然保護連合、WWFを始め、各種自然保護団体や学会から示される意見よりも、実際に保全活動を続けて来た地元の強い思いを尊重して、このプロジェクトを進めて行く、ということが外でも通用するかどうかが問題です。

アユモドキへの影響調査のため工程に遅れが出る可能性も報道されました。工程に遅れ・・・それ以前に、まだこのスタジアムが事業として実施されるかどうかは、環境保全専門家会議や事業評価委員会の評価待ち。更に、国からも文化財保護法に基づく天然記念物の現状変更等の許可が降りなければできません。

非常に難しい課題です。

アユモドキ等の自然と共生するスタジアム、という提案で誘致を決定した当時、府は、その提案がもう少しまともなものだと思っていたことが伺えます。ちなみに、下線は原文書ママです。

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*年末とはH24年12月26日に誘致決定した2日後の12月28日のことです

何のシミュレーションもなく科学的根拠もない提案だったことに気付いた時点で、撤回すれば傷は浅かったのではないかと思います。

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事業がストップする可能性も当時から認識されていました。

スクリーンショット 2015-11-27 10.46.18かなりの経費が必要になることも言われています。

それから3年近くが経とうとしている今も、アユモドキに関する市の調査費用等が嵩み続けていますが、文中で言われているような、国に対して説明できる状態にはなっていません。

このような非現実的なプロジェクトに批判が集中し、世界的レベルで懸念が示されるようになった今。

今もアユモドキがいるのは地元が保全してきたからであって、長年、水害で苦労して来た地域にようやく光があたる開発計画を喜んでいるのに、今更になって外から口出しして頂かなくて結構。スタジアムを作るなと言うけれど、これをやめたってアユモドキは人の手を借りなければ絶滅するのだ。魚類学会やWWF、国際自然保護連合など、地元の強い願いの前には何ほどのものでもない

・・・そんな思いを反映したコメントが公人からも発せられています。

しかし、アユモドキが悪いのではありません。

 

亀岡市が専門家や関連省庁との検討すら経ずに提案した保全策は、専門的立場から、どうあっても見過ごすことができないほど内容に乏しく、アユモドキ等の将来に懸念を抱かざるをえないものであったため、我が国の魚類専門家の責任として、亀岡市と京都府に対して、ご意見を申し上げてきたものです。
私どもや他の学会等からの要望書が、スタジアムに大きな期待を託しておられる地域の皆様の胸を深く痛める結果となりましたことを心からお詫び申し上げます。しかし、これはそもそも何ら実現性の根拠もないまま、スタジアム建設とアユモドキが共生できると盲信し、こともあろうかそれを皆様に約束し、事を運んできた亀岡市長栗山正隆氏をはじめとするスタジアム建設を進めてこられた方々に起因することはいうまでもありません。また短い期間に、建設用地の提供を計画させ、競わした京都府知事山田啓二氏が市にこのような無理を強いたことも指摘しておかなければなりません。

魚類学会からの回答より抜粋)

当初からムリのあった計画を強引に推進して、ローカルでは道理をひっこめられたとしても、グローバルでは通用しません。薄々わかっているのではないかと思いますが、これを意地になって進めようとすることは、府民・市民の貴重な税金をムダにするだけの結果になるでしょう。

 

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