不要な条例改正

6月定例会5号議案 亀岡市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について、私は反対しました。

この議案は簡単に言うと、

家庭的保育等(保育者の自宅などで保育するような小規模な保育)で、これまで、保健師や看護師を1名に限って保育士としてカウントできるような特例があったのを、更に、準看護師にも拡大するという厚生省令の改正がされたので、それに合わせて市の条例も・・・という内容です。

国に指図されて、次々と対応しなければならないことが出てきて、それに振り回されることに少々、苛立っています。それに、権限移譲された事務について、地方自治体は厳しい現場の運営を国策で改善することを求めるべき場面であるにも拘らず、国にルールを変える自由を認めていただいて運営を維持しようとしている姿は、やむをえないというしかないのか、それにしても悔しい。

とはいえ、この家庭的保育の基準の緩和については、亀岡市が実際にやっていない事業、これからもやる予定のない事業ですから、国の言う通りに制定したり、改正したり、ということはムダなので、もう振り回される必要もないのではないか、ということです。

別に、こんな議案を提案してくる執行部が悪い、とか、可決されてしまったから大変なことになる、ということではないのですが、ここで地方分権のあり方についての問題提起として受け止めていただければ幸いです。

以下、討論の概要です。(議場では、言い回しが違ったり、飛ばしたり、余計なことを言ったところがあります)

家庭的保育事業等は、亀岡市では実際されておらず、今後もその見通しがないため、昨年9月の制定の際にも条例は要らないのではないかといわれていたところです。

今後のニーズが出てきた時のために受皿として制定するという説明に対し、保育の質に関わる緩和等が定められていることを心配する意見がありました。条例は受皿として提案するが亀岡市としては今まで通りの保育をしっかり行っていく考えであるということから、今後それが明示されることを期待して制定には賛同しましたが、今回の改正の際にははっきりと「法令と事業は別」という考え方をされていることもわかり、それは前回賛同した思いとは相容れない考え方です。

今回の改正案は、必要ありません。

制定して1年も経たずに出てきたこの改正案は、地方分権改革に関する提案として一部の自治体が厚労省に強く要望したものです。
(*平成26年 地方分権改革に関する提案募集 提案事項

厚労省は准看護師までも保育士とみなすような特例緩和には非常に慎重でした。(前掲リンク先の資料の24枚目、ページ番号にして324以降をご覧下さい)

地域の実情に合わせて一部の自治体が規制緩和を要望し、それで省令が変われば、規制緩和を求めるべき地域の実情がない自治体まで一斉に規制緩和の条例改正をしなければならないというのは、地方分権の観点から本末転倒です。

この議案、必死で止めなければ心配な状況が発生するというものではありません。ただ、ここで考え方を明確にしておかなければ今後も無用の事務コストを増大させることになります。今回の項目以外にも規制緩和の要望があり、それに応じて今後また厚労省の基準は変わる可能性があるのです。

保育は先の番号法とは異なり、自治事務です。しかし、子ども子育て関連法への対応で、今年4月施行に間に合うようにと、9月に条例が制定されました。これも、国で内容が明確にならない中での困難な作業を強いられた点では同じです。国には地方分権というのであれば、その他さまざま無為に疲弊させるようなことがないように配慮していただきたいと感じると同時に、自治体の側も分権の趣旨を踏まえて対応いきたいものです。

繰り返しになりますが、亀岡市は家庭的保育等はしていません。該当する事業がない、今後実施する見込みもない。なのに、今回、特例が緩和されたら、それにつきあって条例改正をし、今後も、出てくる都度同じようにするのでしょうか。

これは自治事務についての条例です。質の高い保育行政を行っている亀岡市、それを続けていこうという強い思いと、それが可能な環境にも恵まれているのですから、厚労省令の改正にそのままつきあう必要はありません。

それに、今のところはとりあえず制定して、適用される事業もないこの条例ですが、もし必要な状況が出たときに改正がされていなければ困るので、その都度、通知に従っておくのだ、という考え方も示されました。改正がされていなければ困るとはどういうことでしょう?

・・・このような事業はしない、現場では規制緩和はないのだから、認めてほしい、と言いながら、あとから必要になるかも、というのは矛盾した説明です。

具体的事象が発生する前に備えておかなければならない条例というものは確かにありますが、今回はそういう種類のものではありません。京都府下だけでなく全国を見て下さい。従うべき基準だからそのまま特例の緩和に従うことは必ずしも行われていません。

亀岡市の場合、必要な状況が具体的に見込まれるようなときには、まず行政計画を見直してその中に家庭的保育等を実施することを位置づけていくことになるでしょうから、そこで一括して必要な条例整備をすれば足りるだけです。

いますぐ改正しなくても誰も困りません。改正しても困りませんが、ムダな改正であり、地方分権の観点からも対応に疑問があります。

委員会では否決という結果でした。それぞれが事前に議案を調査し、委員会では質疑を重ね、委員間討議をして結論を出したものです。そのとおり、普通に考えて、要らないものは要らないのです。委員会審査が終わってから、否決されたものについて個別に説得を受けて賛否が変わるということが起きるとすれば、委員会審査もその報告も意味がなくなってしまいます。委員外の議員にとっても委員長報告は参考にならないということになります。

提案側の説明不足はなかったはずです。非公式の場で新たな説明があって考えが変わったのであれば、その経緯を公式の場で明らかにしていただきたいですが、まずは、自分の判断を自信を持って維持してください。

これは、しかるべき時期まで見送るのが妥当です。反対することに賛同を求めます。

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