マイナンバー制度導入への対応

6月定例会には、マイナンバー法に関わって、個人情報保護条例等の改正案が提案されていました。

住基ネットのときとは異なり、これは、国から委託されて行うことを法律で定められている事業ですので、やらないという選択はありません。年金情報流出の原因も解明されていないのに、同じようなことが起きないように検証、対策をするのが先ではないかと思いますが、国はマイナンバーを活用する場面を拡大するような議論をすすめており、亀岡市は、マイナンバーを扱うための条件整備をしていかなければなりません。

まずは不安が払拭できる内容にすることや、ムリな導入スケジュール等の見直しを国においてしていただきたいし、地方自治体からそのような意見書を出すことも大切だと思います。(逆のことがされていますけれど、こんなに、時間とお金をかけて導入するのだから、せめて、精一杯活用してモトをとりたい、という気持ちになるのも無理はありません)

マイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策という分野に導入され、事務が合理化されることについては期待もされていますが、様々な情報がリンクされることによって、個人番号は大きな価値を持つことになります。

マイナンバーを市が扱わなければならない重みは今後、活用が進むに比例して増していくことは間違いありません。
様々な懸念がされていながら、未だ国において不明な部分が残されたまま、亀岡市としては条例を整備しなければならないという困難な状況を、市民の不安をできるだけ払拭できるかたちで共に乗り越えていきたいと願うものです。

総務文教常任委員会の審査の際に、執行部からは、
行政の仕事は国から出された標準のものをもって、全国統一的に行うのが通例であるし、今回の番号法についてもそれに従い改正をするということになる。

という説明がありました。しかし、亀岡市は市民のために何も検討する余地がないわけではありません。

委員会では、特定個人情報の取扱いで心配な部分について活発な質疑がされました。
しかし、答弁は、
問題が起きそうなことについてどう対応するか、という技術的なことは後追いになっている」との説明に留まり、条例改正の中での対応ができていないことが明らかになりました。

例えば、一般の個人情報では認めていない任意代理人による開示請求を特定個人情報については認めていることについて、代理権の確認をどのようにするのか、不正をどう防ぐかという質疑に対しては、実際始まってからの運用面で検討していきたいとのことでした。

・・・始まってから、問題が起きてからでは遅いですし、これは、市民も心配になるのではないでしょうか。

委員から、このまま改正するのではなく、もう少し検討してはどうかということも言われましたが、マイナンバーの導入が10月スタートなので、周知期間も含めると9月議会への提案では間に合わない、という事情でした。

しかし、不十分なまま周知する方が問題だと思います。このような執行部とのやり取りを聴いていると、運用が始まっても、安全な手続きが担保されるかは不透明だと感じました。

特定個人情報の取扱は、亀岡市にとっても大変な責任と事務負担を発生させるものであって、まだ不明な部分が多く、対応が難しいことはよくわかります。だからこそ、現時点で心配されていることについても亀岡市は国の文言通りではなく、できる限り検討し条例に反映させるべきです。

任意代理人の件は一例ですが、開示請求できる任意代理人の範囲を限るなどの規定を盛り込んでいる他市の事例もあります。議会として条例の内容を検討することもできるでしょう。

様々な情報が紐付けされ、活用が拡大して行くことが予想されるマイナンバー。紙切れ一枚の委任状だけで、他人が取得できるということになっていていいのでしょうか。税理士や社労士さんが本人に依頼されて取得する場面を想定しているようですが、不正取得が起こりうることも想定して、対策を条例に盛り込んでおくほうが安心です。運用上で対応する、といっても、条例に特に定めがなく、窓口の判断で・・・ということになれば、現場が混乱するのではないでしょうか。

せめて、他市の改正事例や、個人情報審議会でどのような議論があったかを確認のうえ、議会でも考えなければならないと思いました。

市民に、より安心していただける形を、運用の中で考えるのではなく条例として準備しておくことは亀岡市にも必ずできるはずです。

(9月提案の自治体もありますが)9月で間に合わないというのであれば臨時会で審査すればよいのですから、今回、不安を残したままで通すのではなく、踏みとどまっていただきたいと考えて、私は、マイナンバー法にかかる個人情報保護条例改正の議案には反対しました。

議会としては賛成多数で、原案の通り可決されました。

委員会に資料として提出された個人情報保護審議会への諮問結果は、条例改正が妥当、というだけの内容しかありませんでした。審議会の会議録も、議案審査の際には公開されておらず中身はよくわかりません。条例改正が必要なことは当然なので、どのような議論があったのかを示さなければ、議案資料として意味がありません。

例えば、他の自治体の個人情報審議会の答申はこのようになっています。

パブコメ等で市民の意見をきいている自治体もありますが、亀岡市ではこれについては何も資料がありませんでした。

今後、市の事務にマイナンバーを活用するための条例提案も出てくることと思いますが、市民の安心と利便性を両立させるためには、危機管理意識を持って内容を慎重に検討することが必要です。

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