なぜ用地買収議案は可決されたか

18日臨時会に提案されたスタジアム公園のための用地買収議案は賛成多数で可決されました。

議会でしっかりと議論した結果なのだから、妥当な判断なのだろう、などと思わないで下さい。多くの方が傍聴にお越しになり、その議論の内容をご覧下さいました。

本来は、結論に至るまでの過程でしっかりと議会が機能するところをご覧いただきたかったのですが、それは叶いませんでした。

情報が足りなくても、十分に審議が尽くされていなくても、採決してしまう。
判断材料が示されないのでは結論を出せないはずですから、再度、審議していただくよう求めましたが、もう十分だという議員が大多数でしたので、それ以上の審議はされませんでした。

判断材料が示されていない、それでも採決するというのであれば、どなたも賛成できるはずがありません。

その用地を買収して公園を造ろうとしているのですから、その公園については当然わかっていなくてはなりません。しかし、公園整備には15億円かかります、と7月に金額を聞いただけで他には詳しい説明もありません。

なぜ15億円かかるのか。中身を確認する者もいません。

公園そのものが市民にとってどのような便益を提供するのかを確認する者もいません。

ランニングコストも確認しないまま。わからないと言われれば、そのままで納得。他の公園のランニングコストからでも概算できるはずのものですが、確認しなくていいのでしょうか。

コストの上限はどれほどまで見込んでいるのか。市の財政はそれに耐えられるのかもわかりません。計画通りにいけば、見込み通りのコストになる、という意味不明の答弁に対しても、計画通りにいかない可能性については言及しません。

では、財政面に限らず、予測される諸課題にどう対応するのか?それについては、市のプロジェクトチーム会議でしっかり話し合ってますから、といわれれば、会議の内容を見せないと言われてもあっさり引き下がります。

これでは何もわからないではありませんか。

総務文教常任委員会としては、全部情報を出していただいて議論したとの認識だったようですが、審査に必要な情報が不足していることも議論が尽くされていないことも明らかです。

賛成者は何を根拠に賛成したのか。

本来は、賛成する方々こそがしっかりと情報を求めなくてはならないはずです。情報が不十分で議論が尽くされなかったことは反対理由にはなりますが、情報がなくては賛成理由を説明できませんので。

なのに、賛成多数で可決?

恐ろしいことですが、もしかして、内容をわかった上で賛成しているわけではないのかもしれません。

京都府のスタジアムができればまちが活性化する!だから、そのために必要な用地買収は認めればいい、という程度にしか考えておらず、中身を不問としているのだとしたら、それは相当危険なことです。

そのような態度では、彼らの確信する「スタジアムができればまちが活性化」すら、そう考える根拠もなく空気だけで言っているとしか思えません。

なんとなく景気がよさそうな話を根拠もなく歓迎するのは、世間話レベルでは構いませんが、仕事としてしっかりと中身をみなければならない立場の者には許されません。

本気で推進したいなら、疑問点が解決されるように情報を出させて、議論しなければなりません。

それでこそ、例えば「全ての情報を吟味した結果、ここは〜〜により、〜〜と見込むことができる。〜〜の可能性については〜〜であるから、リスクについても〜〜という見通しで進めていくものであり、バランスを考えた上でも〜〜とすることが妥当だと考える。だから私は賛成する。」と言えるのです。何もわからず賛成して、市民になんと説明するつもりでしょうか。

まさか、

スタジアムは亀岡の希望の光だ!

しかないのでしょうか。これまでも失敗してきて、今時、あり得ないハコモノで活性化できるというなら、なぜ、本件についてはそれが成功するといえるのか具体的に説明できるでしょうか。議論を尽くしていない状況では、なぜそのように考えるのかと具体的なことを問われても、

市は頑張って成功させると言っている。(=自分には責任がない。失敗したら市の責任)

としか言えないのではでしょうか。

そして、失敗した時は、市は、

計画通りにいけば成功するはずだったが、計画通りにはいかなかった。

というでしょう。計画自体が甘かったのか、厳しく詰めていった計画だったが想定外のことがおきてそれが狂ったのか。という話になっても、すでに、スタジアムができないことは想定しない、あれもこれも想定しないと言われています。成功だけを確信していますので、全ては想定外です。予防線はバッチリです。

だから、誰のせいでもない?

いいえ。計画を厳しくチェックしなかった議会のチェック機能が問われます。でも、そのツケは市民に回ってきます。

公園そのものについてはどう考えているのか。そのための用地買収ですが、

公園の費用便益比率はスタジアムありで1.09だそうです。(費用便益比率とは?→以前の記事

スタジアムはまだ京都府では計画段階でしかありませんが、もしスタジアムが建設されなくても公園を造るということは覆らないと3月に答弁されました。加えて、スタジアムができないということは考えられない、と。(考えたくなくても考えていただかないといけませんが)

では、スタジアムなしで公園そのものだけでも、巨額の税投入に見合う便益を市民に提供できるのでしょうか。費用便益比率はいくつなんでしょうか。

この計画でアユモドキの保全ができないとなれば、亀岡市が責任を持って計画変更してでも対応する、などと市長が外で約束してきたそうですが、計画変更して保全のための費用がかさめば、1.09より下がってくるでしょう。

1.0以下はムダな公共事業と判断されます。どうするんです?どこまで費用がかさむのかわかりません。

アユモドキ保全のための費用は公園整備費に含めない部分もあるでしょうが、環境を変化させても保全できるようにしようというのですから、費用がかさんで当然です。というわけで、公園整備と保全にかかる費用は無関係ではありません。今回の9月定例会に上程される補正予算では、アユモドキ保全のために2700万円が追加で計上されていました。保全と開発が相容れないものであると言われているなかで、そこをどうするか見通しもないままに実験・調査のための費用をふくらませても結果を活かせるのでしょうか。

1.09というのも、補助金申請できる範囲で数字合わせてギリギリ出したという感が否めませんので、その算出前提なども詳細に確認したいところですが、その機会はありませんでした。

なぜ用地買収議案は可決されたか?

私にはわかりません。傍聴者もこの程度の中身しかない会議で可決される理由がわからないとのことでした。

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