公社の不正な土地処理問題 報告書完成

8月22日の公社問題特別委員会(13回目)で、ようやく報告書が完成しました。内容は即日ホームページで公開されました。(亀岡市もそれとは別に報告書を作成しています)

亀岡市議会の調査特別委員会による報告書

クリックするとフルサイズで見られます

これまでの流れのなかでも、わかりにくいという意見をいただいておりました公社問題・・・。もし関心があれば図を参考に読んでみてください。

事件の概要

事件の概要を理解するための
1つ目のポイントは、
名前のよく似た二つの公社ですが、その違いをおさえることです。
土地開発公社(以下、土地公)はその借金に亀岡市の債務保証が付くという特別な公社ですが一方、住宅公社(以下、住公)はそういった特別のルールがない一般の財団法人です。

2つ目のポイントは、
今回の事件では、土地の所有権は動いておらず、動いたのは登記と5億円だということです。

H18 亀岡市が5億円を保証?事件

平成13年に住公は土地を買って、三井住友銀行から5億円を借り入れました。ここまでは普通の取引です。
しかし、平成18年になると、住公は三井住友銀行からその5億円の早期返済を迫られるようになりました。

かといって手元に返す金はなく、借り換えようにも5億円を貸してくれる金融機関はありませんでした。

実務者として処理にあたっていたのは土地公の常任理事と住公の常務理事を兼任(H14〜)していた加茂巌氏でした。

このままでは住公が潰れてしまいます。

普通はここで上司に相談するはずです。常任・常務理事は経営者でも何でもない、単なるサラリーマンですから。就任前の借金も経営難も彼の責任ではありませんし。

ちなみに当時の土地公の代表者は寸田武理事長、住公の代表者は栗山正隆会長(市長)でした。しかし、加茂常任・常務理事は誰にも相談せず、独断でことを進めました。(当事者の説明によると)

加茂常任・常務理事は、JA京都に「住公には貸せないが、土地公(市の債務保証あり)になら貸せる」ということを聞きました。(加茂氏の記憶によると)

都合の良いことに、加茂常任・常務理事の引き出しには、土地公の代表者印、住公の代表者印が入っていました。普通は考えられないことですが。

そこで加茂常任・常務理事は、その立場と両公社の代表者印を使い、住公がH13年に買った土地を5億円で土地公に売ったことにしてその代金で三井住友銀行に返済することにしました。

つまり、土地公はJA京都から5億円を借り(亀岡市の保証付き)、それが住公の三井住友銀行に対する5億円の借金返済に充てられたのでした。背任です。

その際、登記簿上は売買を原因として所有権移転登記がされていますが、ウソの登記をするために作った書類は虚偽公文書作成ですし、それを使ったことは虚偽公文書行使にあたります。ウソの登記したこと自体は公正証書原本不実記載になります。

外見上は今まで通り住公がその土地の管理をしていましたので、書類上でそのようなことが起きているとはわかりません。

翌年H19年に行われた、当該H18年度事業の決算監査の書類も、加茂常任・常務理事が、事実が発覚しないようにツジツマを合わせていたので不正が見つけられませんでした。虚偽公文書作成等にあたります。

ところがH20年。

総務省から通知があって、土地公の経営健全化のために調査をすることになりました。そこで土地公が内部的に登記簿を調べたときに土地売買の偽装が発覚したのでした。当時の土地公の理事長は畠中一樹氏、住公の会長は栗山正隆氏(市長)です。

ここまでの話は、全て加茂常任・常務理事の独断でやったという説明でした。
しかし、これ以降は別の問題が生じています。

H20 コンプライアンスって何?事件

普通は架空の売買が登記簿の記載で発覚した時点で新聞に載りそうなものですが、両公社の長は問題を市民に知らせませんでした。知らぬ間に亀岡市が5億円の保証をさせられていたということは重大な問題ですが、栗山市長は「実害はない」と認識(少なくとも事件を公にしたH23年12月定例会での吉田千尋議員の一般質問、その直後に開催された全員協議会までは)していました。そして「直ちに元に戻すように」と指示しました。

常任・常務理事が独断で代表者印を使って登記簿と5億円を動かしていたことについては告発義務があったのですが、なぜかそれを不問にした上、その後も引き続き代表者印を預けたまま任にあたらせていたのです。

そして、登記と5億円をどのように元に戻したかというと、虚偽の売買を解除したことにして登記簿上の土地の所有権を住公に戻し、土地公に借りさせていた5億円は、住公が京都銀行から借りて返済したのでした。

この虚偽の売買契約解除の登記をするために書類を作成・使用したことが虚偽公文書作成・行使にあたります。これについては加茂常任・常務理事だけでなく、畠中理事長と栗山正隆会長(市長)も行為者です。しかも平成18年度、20年度いずれも時効が成立していません。

被害状況

ここまでが事件の概要です。
では、一連の行為によってどんな被害状況が生じたか。

不要な(するべきではない)登記をしたことによる費用等で223,352円が実損。これは、公社の負担です。

亀岡市の被害は・・・
不正な手続きで5億円の保証人にされたこと・・・これは、実損になる可能性がありましたが、土地公に借金させた5億円を住公が返したので現在はそのリスクは解消しました。

しかし、亀岡市政への信頼が損なわれた状態は回復していません。
市のトップが職員の不正を認知しても市民に報告をせず、虚偽公文書作成・行使という違法行為によって「元に戻した」こと。(ただし、隠蔽するつもりはなかったそうです)

これでは「職員のコンプライアンス(法令遵守)」を推進したり「内部通報制度」を機能させたりすることができるとも思えません。
そこで、今度こそは公訴時効が成立していない違法行為について告発義務を果たすことが姿勢を示すチャンスと言えるかもしれません。

この特別委員会の調査報告書を亀岡市に待っていただいていたという状況でしたので、今度はこちらが待つ番です。両公社の長や市長に先んじて告発するのではなく。といっても、8ヶ月も待てませんが。

違法行為一覧 クリックすると拡大できます(公社問題報告書より抜粋)

100条いらなかった?

余談ですが、当初、事件の法的判断について1度だけ市の顧問弁護士を参考人として呼びましたが、その説明によると虚偽公文書作成にあたる行為はなく、全ての違法行為について時効が成立していることになっていたので、告発する機会はないままとなるところでした。

しかも、それはおかしいのではと指摘しても、法的判断には様々だからという理由で流されそうになり、そこは次回委員会までに法的判断を超える判例を提示せよ、という委員会からの宿題(え。宿題?ムダに13人もいる委員全員で調査するんじゃなかったの?)を全うできたので難を逃れたという状況でした。(判例は裁判所の判例検索で探せる

100条要らない、と言った人こそ、ちゃんと仕事をしてほしかったです。
もしこれが100条委員会だったら、こんな苦労をしなくても最初から委員会に法律に詳しい専門家についていただくこともできたし(予算がつくので)、外部の参考人であっても「証人として」呼ぶことができた(調査権があるので)のに・・・

さて、ここまで読んで更に知りたいことがあれば、

亀岡市土地開発公社及び(財)亀岡市住宅公社の土地処理に関する調査特別委員会調査報告書 (PDF:63KB)

あるいは、当サイトの公社問題に関する過去記事をご覧ください。

亀岡市の報告書もリンクとして示したいところですが、現時点ではウェブ上では発見できませんでした。近日中に公開されるのではないかと思います。

8/27追記:吉田千尋議員による解説

2 comments

  1. 元亀岡市民J より:

    初めてコメントします。

    何のことかさっぱり分からなかった「公社問題」がなんとなくわかったような気がします。

    ところで、「H18 亀岡市が5億円を保証?事件」の中の

    その際、登記簿上は売買を原因として所有権移転登記がされていますが、ウソの登記をするために作った書類は虚偽公文書作成ですし、それを使ったことは虚偽公文書行使にあたります。ウソの登記したこと自体は公正証書原本不実記載になります。

    という文章について、自分なりに解釈すると、

    その際、実際には土地の売買があった訳ではないのですが、
    登記簿上は、土地の売買があったことにして、土地の所有権移転登記がなされています。

    この、ウソの登記をするために、ウソの書類を作ること自体が、
    「虚偽公文書作成」という犯罪にあたります。

    また、ウソの登記をするために、このウソの書類を使うこと自体が、
    「虚偽公文書行使」という犯罪にあたります。

    更に、現実に、ウソの登記をしたこと自体が、
    「公正証書原本不実記載」という犯罪にあたります。

    ということになりました。

    亀岡市議会の調査特別委員会による報告書も読んで見ましたが、
    法律用語満載なので、読むのも、解釈するのも一苦労ですね。

    また、コメントさせていただきます。

  2. 酒井あきこ より:

    元亀岡市民Jさん、コメントありがとうございます。
    おっしゃるとおりの解釈です。
    報告書、わかりにくいですよね・・。
    誰が行ったどういう行為がどんな違法行為で公訴時効はどうなっているか、という表を入れていただきましたが、いっそのこと図もいれたかったぐらいです。

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